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2009年11月 6日 (金)

家族とは

今日は秋晴れいい天気。
と言っても明日は立冬。でも12月に入るくらいまで暖かい天気が続くらしい。寒がりな私にとってはとってもありがたい。

祖母の膀胱炎。新しい病院の薬も効果が出始め、トイレの回数も減ってきたので入浴OK。明日は私が通院で外出しなければならないので、本日暖かい日中のうちに祖母をお風呂に入れる事に。

私 「おばあちゃん、お風呂に入ろうよ。」
祖母 「あたしゃ、汚れておらん」
私 「お風呂に入れば気持ちいいよ。さっぱりするし。頭も洗ってあげるから。おばあちゃん髪いじられるの好きでしょ。」
祖母 「え?お手洗いに行くのかい?」
私 「お手洗いじゃなくてお風呂だよ。」
祖母 「お風呂かい。あたしは皆が入ってからでいいよ。あたしが入ると汚れるから。」
私 「皆入っちゃったよ。後はおばあちゃんだけ。汚れ落とす為に入るんだからいいんだよ。」
祖母 「そうかい。お風呂かい。で、今何時かい?」
私 「2時だよ。暖かい時間にお風呂入ろうよ。」
祖母 「2時かい。で今は何時かい?」
私 「2時だよ。」
祖母 「そうかい。2時かい。で、ゆきは(伯母)いつ帰ってくるんだい?」
私 「おばちゃんは今日の夜だよ。明日は歯医者で明後日は出かけるって。おばちゃんのところに戻る前に一回はお風呂入っておこうよ。」
祖母 「お風呂かい。そうかい。そうかお風呂かい。お風呂に入るのかい。死ぬには大変だ。あたしゃもう死にたいよ。」
私 「まだまだ死なないよ、おばあちゃん。お風呂に入れば気持ちいいよ。」
祖母「死なないかい。世の中ってモンは大変だ。あぁ大変だ。で今は何時かい?」

こんな会話が延々続く。祖母は昔からお風呂嫌い。お風呂に入る覚悟が決まるまでとにかく時間がかかる。生きてることを嘆くほどとりあえず抵抗するのだ。
以前はしょうがない。と諦めていたこともあったが、入ってしまえば気持ちよく、極楽気分になる祖母を私は知っている。だから私もめげずにとにかく誘う。
30分位同じ話を繰り返したところでやっと祖母の覚悟が決まったらしい。

祖母 「じゃあ、あったまるだけ、お湯につかって来ようかのう。」
こう言わせればしめたもの(笑)
私 「お風呂に入る前にお手洗い行っておく?」
祖母 「そうだ。お手洗いに行っておこう」
そう言って私に掴りながらトイレまで歩いていき、便座に座るまで待っていたら、あっという間にセーターからズボンから全部すっぽんぽんに脱いでしまった。

私 「おばあちゃん、ここはトイレ。お風呂じゃないよ。寒くないの?」
祖母 「ああ、寒くない。お風呂に入る前にお手洗いに行くんだよ。」
私 「そうだよ。ここはお手洗いだよ。お風呂は次だよ。もう脱いじゃったの?」
祖母 「ああ、そうか。お風呂じゃないのかい。脱いじゃったよ。あっはっは^^」
祖母の心はもうお風呂。先走ってトイレで全て脱いでしまったのだ。この会話の一部始終を聞いていた父と母も大爆笑。本人も含め4人で大笑いした後、慌ててバスタオルを取りに行き、トイレから出てきた祖母にタオルを巻いてそのままお風呂場へ直行。

ぬるめお風呂に浸かり祖母の一言。
「あ~幸せだ、お風呂ってもんは気持ちいいのう。まだまだ死ねないねぇ。」←やっぱり思った通り。
頬っぺたを赤く染め少女のような顔をして、お湯にも幸せにも浸っている。
その後は有無を言わさず体中ごしごし。普段タムをお風呂に入れている母と私は慣れたもの。あっと言う間にツルツルピカピカのおばあちゃん誕生!
お風呂に入り、洗い立てのパジャマに着替え上機嫌のおばあちゃん。
以前は大好きだった時代劇もニュースも今では内容が理解できなくなってしまった祖母の為に録画しておいた『なつかしのメロディ』のビデオを見て更にご機嫌だ。

その後私はタムとの散歩。今回祖母が来て一番変ったのはタム。随分大人になった。祖母が弱い存在であることをちゃんと理解したらしい。父と私の説得が効いたようだ。祖母が近くに居ると吠えたり飛び掛ったりしなくなった。それでも尻尾だけはブンブン振っているけれど。いつもは家族の愛情を一杯に受けているタムも、祖母が来ている間はおとなしくしていなきゃと我慢している。そんな大人になったタムを見ると余計に愛おしさが増してくる。
祖母の介護で肉体的には疲れていても、散歩の時だけはタムに目一杯愛情を注ぐ事が出来る。だから散歩だけは行ってあげたい。その想いがタムにも伝わるようで散歩用の帽子を被っただけでタムのテンションが上がる。家を出ると嬉しくて走り出しては振り返り、私に身体をなすり付ける。彼なりの最大の愛情表現。
40分の散歩はあっという間。とても楽しいひと時。

祖母の身の回りの世話をしながら、ペットの世話と諸々の家事をこなすのはかなりの重労働。それでも会話があり、一緒に笑い、スキンシップが取れる家族(ペット)がいる事が私や家族の支えになっている事は間違いない。

明治、大正、昭和、平成、4つの時代を生きてきた祖母との価値観の違い、老いの現実を目の当たりにすると考えさせられることは多い。家族と言う存在、血の繋がり…色々。身体が疲れていても考え込んで眠れない日もある。生きている事は学ぶこと。つくづく感じる秋の夜長。

さて、今夜ももう一踏ん張り!

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